写真撮影でセカンドキャリアを試行錯誤する
カメラとの出会い
写真は撮っても撮られても楽しい。ボクが写真にハマったのは研究室に電気泳動撮影用の一眼レフが置いてあったから。30年以上前のことだから、もちろんデジカメでもオートフォーカスでもない全マニュアルのシンプルなカメラだったけど、「写ルンです」以外の一眼レフカメラなんて初めて触ったんで興味津々でしたね。大事な実験手順書よりカメラのマニュアルの方を詳しく熟読したりして。生物系だったけどこういうメカモノにもヨダレが出ちゃうんですよ。理科系って。以来黙って研究室から持ち出して友達とか撮ってたんだけど、教授に見つかって持ち出し禁止になりました。現像したら電気泳動写真の間に知らない学生が沢山写ってたんだから無理もないね。フィルムも現像代も研究費だったし。正直言えば研究費流用なんですが当事はそんな程度のことに目くじら立てる時代ではなかった。
カメラは趣味の一部だった
カメラは大好きだったけど、プロカメラマンになるって気持ちは全くなかった。研究自体は面白かったし。理詰めでモノを考えるのが好きな人間にとって、センスとかアートを要求される仕事って憧れなんだけどすごく怖い世界なんですよ。あと失礼な話だけど、そんなに儲かる仕事とは思えなかった。(のちに指導してもらったプロカメラマンはバブル期には広告写真で月に何百万も稼いでビル建てたって言ったけど。バブル弾けたあとにビルは手放したそうですが…)卒業後はサラリーマンとして働き、写真の方はほとんど子供ばかりを撮るイクメンカメラマンでした。
本格的に写真に目覚める
写真に対する見方が変わったのは写真の専門学校で学び始めたころかな。もちろん働きながらですが。カメラもデジタルの時代になって、基礎から技術を学びたいと思って始めたんだけど、他の生徒が撮っている写真を見てレベルの差を痛感しましたね。技術的なこともさることながら、写真を見る目ができていなかった。そこからは写真展や雑誌で沢山の写真を見て、イメージをインプットすることに心掛けました。生まれながら独創性溢れる天才じゃないので、大量のインプット無しにはアウトプットのクオリティーは上げられないと思うんです。特に常識によって想像力が埋もれかけているオジサン世代には。SNSですごい写真を何気なく発表している感性ある人達が羨ましい。
と言っても、すぐに腕が上達するわけでもないので、とにかく撮影のチャンスを増やすことにしました。会社関係のセミナーやイベントには頼まれてもいないのに勝手に撮影担当をしたり(退屈な会議では結構暇つぶしにもなる)、会議や婚活のプロフィール写真撮影も喜んで撮りましたね。あとスクールフォトと言って幼稚園のイベント撮影も土日だけだけど派遣でやりました。このスクールフォトは派遣会社の要求も高く、納品枚数が異常に多い割にはギャラが安いというブラックな環境でしたが、とにかく腱鞘炎になる位シャッター押したんで相当勉強にはなった。何万枚の写真を撮る中でボクが感じたのは、やっぱり人が人を撮るのは面白いということ。良い写真が撮れた時にはボクも嬉しいし、被写体(モデル)も喜んでくれる。もちろん風景や花も撮るけど、感動的な写真が撮れても直接褒めてくれないんですよね、空や山や花や虫は。
ボクが今目指しているのは、人が人を撮って、その喜びを共有できる仕組み。もちろんセカンドキャリアとしてのビジネスにもなること。アイデアはどんどん湧いて出てくるんだけど、まあ焦らずにのんびりと試行錯誤していきます。